本稿からは聖天山本殿の特徴が凝縮された、奥殿彫刻についてご紹介しましょう。
聖天山本殿は「建築自体を彫刻化している」とか、「日光東照宮をも凌ぐ」とさえいわれ、「彫刻と彩色の美術・工芸品」とまで言われるほどに、壮麗な奥殿の威容は荘厳性に満ち、思わず魅入られてしまうほど、建物・彫刻・彩色が見事に調和しているのです。
全国の社寺建築の中でも特に他に類例がないといわれる特徴をご紹介しましょう。
奥殿軒廻りの木鼻や、尾垂木などには、動物や霊獣の丸彫り彫刻がびっしりと取り付けられています。聖天堂が他の建造物と違うのは、この丸彫り彫刻に色漆や金箔が使われていることです。 |
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奥殿南側の木階の上にある「鷲に猿」の板戸彫刻は、その出来栄えの素晴しさに、左甚五郎作とまで伝えられている「鷲に猿」の肉彫り彫刻です。 |
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著者紹介:熊谷市在住。上武郷土史研究会主宰、阿うんの会・講師。
全国歴史研究会、埼玉県郷土文化会、木曽義仲史学会、他各種会員。
主な著書:『妻沼聖天山』、『甦る「聖天山本殿」と上州彫物師たちの足跡』(以上さきたま出版会)、『寺社の装飾彫刻・関東編上』(日貿出版社)、
『斎藤氏と聖天堂』(熊谷市立熊谷図書館)、『歴史と文化の町・“めぬま”』(阿うんの会)
埼北ちっちゃな旅「深谷・妻沼版」
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