西面の縁下腰羽目彫刻は、右側に「凧揚げ三人につつじ・あやめ」、中央に「すなどり七人に水・桃」、左側に「蔦に盆踊り六人」の題材が彫り込まれ、植物や遊びで夏の季節を表現しています。 |
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太鼓羽目彫刻は、厚さ約21cm、幅160cmの肉厚の透かし彫りで、北面の題材は、「猩猩酒遊図」で、親孝行な男が、揚子江のほとりで酒を用意して待っていると、猩猩が現れ、酒を飲み、踊りを舞って、飲めども飲めども、尽きることのない酒壺を与えて行ったという縁起の良い話で、社会の豊かさを表現したものです。 |
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右側の「蜜柑・竹・椿・西王母」の彫刻は、中国の古代神話の女神である不老長寿を表す西王母が舞い降りて来て、3千年に一度実を付けるといわれる貴重な桃の実を授けていったと伝わるもので、不老不死、健康・長寿の願いが込められているものと思われます。 |
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著者紹介:熊谷市在住。上武郷土史研究会主宰、阿うんの会・講師。
全国歴史研究会、埼玉県郷土文化会、木曽義仲史学会、他各種会員。
主な著書:『妻沼聖天山』、『甦る「聖天山本殿」と上州彫物師たちの足跡』(以上さきたま出版会)、『寺社の装飾彫刻・関東編上』(日貿出版社)、
『斎藤氏と聖天堂』(熊谷市立熊谷図書館)、『歴史と文化の町・“めぬま”』(阿うんの会)
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